ボビナムとは
ボビナムとはベトナムで生まれ 世界72カ国200万人の競技人口に広がる総合武術です。(2023年現在)
加盟国はアジア各国はもちろん、 ヨーロッパ、中東、オーストラリア、アフリカ、アメリカと 全世界に広がりをみせています。
創始者グェン・ロックにより1938年に設立。 その目的は、フランスやアメリカなど諸外国に抑圧され続けた 長い歴史の中で、ベトナム民族を 「武術によって心身ともに励まし鍛える」 ことでした。
その歴史は同時に西洋と東洋が混合された 独自のスタンスを生み、 東洋の中国拳法、古武術などと 西洋のレスリング、キックボクシングなどが ベトナム人によって研究、分析され 練り上げられた、個性的かつ合理的な 技術形態が形成されています。
「武術によって心身ともに励まし鍛える」
現代社会の日本人にも、必要なことではないでしょうか。
ボビナムの特徴
ボビナムの技術はドン(突き)、ダッ(蹴り)、チェム(手刀)などの当て身から、投げ、関節技、さらには受け身の技術と多種多様です。
試合形式も、複雑で美しい型、武器を操る型、複数の選手による演武などで完成度、芸術点を競うものや、グローブと防具をつけたポイント制打撃戦などバリエーションが豊かです。それぞれのプレイヤーにあったものが選べ、総合武術と呼ぶにふさわしい幅広い要素を持っています。
また、レー(礼)にはじまりレーで終わるなど、日本で古くから親しまれている武道に通じるところがあります。
協会のロゴに使われている技のイラストは、若き日のグェン・バン・チュウの写真がモチーフになっています。
このようなドンチャンと呼ばれる美しい足技の数々も、ボビナムの特色です。
日本でも技の名前や用語などはベトナム語を使い、ベトナムで培われた文化と精神を尊重して指導しています。
ボビナムの歴史
1938 | グェン・ロックにより個人教授を開始 |
1940 | フランス植民地主義者によって普及が禁止される |
1945 | 第二次世界大戦終結 |
ベトナム独立宣言 | |
一般公開、流派旗揚げ | |
1960 | レー・サンへ受け継がれる 門派の規則やカリキュラムが作成され、ユニフォームの色が「海と空の希望の色」青に定められる。 |
1962 | ベトナム戦争開戦 |
1975 | ベトナム戦争終結 |
1990 | ロシアにおける武術者公演が成功し、世界が注目 |
2009 | ベトナムにて第1回世界ボビナム選手権開催 第3回アジア・インドア・ゲームの正式種目となる |
2010 | 各国にひろめるため、世界中で指導して来たグェン・バン・チュウが世界最高師範に |
2011 | ベトナムにて第2回世界ボビナム選手権開催 マスター・フゴがホーチミンにて日本人として初めてマスターライセンスを取得 帰国後、一般社団法人日本ボビナム協会設立 |
2012 | イランにおける第3回アジアボビナム選手権に日本初参加 第1回全日本ボビナム選手権開催 |
2013 | フランスにて第3回世界ボビナム選手権開催 第2回全日本ボビナム選手権開催 |
創始者 グェン・ロック師
Nguyễn Lộc (1912–1960)
グェン・バン・チュウ師
Nguyen Van Chieu
ベトナム武術ボビナム 10 の心得
1. 日々武術を精進し、何人をも守ること
2. ボビナム発展のため、次世代を教育すること
3. 年長者を敬い、仲間に心遣いを忘れないこと
4. 規則を守り、武道家としての誇りを持つこと
5. 他種格闘技を敬愛し、護身のためのみ闘うこと
6. 健全なる肉体と精神を養うこと
7. 何事にも、誠意と勇気をもつこと
8. 逆境に挑むこと
9. 正しく判断し、忍耐強く準備を怠らないこと
10. 自信と向上心で、成長の道を探ること